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【建築士試験】用途変更の確認申請

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今回のキーワードは「用途変更の確認申請」
用途変更に係る建築手続きに関する問題は、実務的にも重要な項目になってきているので、近年は毎年のように出題されているのではないでしょうか。

なお、実務的なお話は↓のリンクへ

解き方は、基本的にたった2つの条文を行き来するだけ。
・法87条1項⇒用途の変更に係る確認申請と完了届の規定
・令137条の18⇒確認等を要しない類似の用途の規定

そして、出題のポイントは以下のとおり。

  • 原則、用途変更部分が法6条1項1号の特殊建築物に当てはまれば確認必要
  • ただし、類似の用途相互間の変更であれば確認は不要
  • 確認申請が必要だっとしても、完了検査はなくて届出のみ
  • 完了届の提出先は「建築主事」のみ

また、少し意地悪な設問だと、類似の用途相互間かどうか判断する際に「児童福祉施設等」かどうかを確認するためにワンクッション入れてくるものが想定されます。

設問は正or誤で判断してみてください。「+解答と解説」をクリックすると解答と解説が読めます。

問1

鉄筋コンクリート造、延べ面積500㎡、地上2階建ての劇場を、増築、大規模の修繕及び大規模の模様替えを伴わずに映画館へ用途変更する場合、確認済証の交付を受ける必要はない。

[su_accordion][su_spoiler title=”解答と解説” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]【正】類似の用途相互間
令137条の18より、正しいですね。法87条1項の規定より、用途変更部分が法別表第1(い)欄の特殊建築物で、さらに変更部分の延べ面積が200㎡をこえる場合、用途変更に係る確認申請⇒確認済証の交付が原則必要です。ところが、令137条の18各号で指定する類似の用途相互間に当てはまれば、法87条1項の規定は除外されますので、1号:劇場-映画館-演劇場の範囲であれば何㎡でも確認申請不要です。

まず最初に用途変更の確認申請が必要かどうかを判断するには、既設の建築物の規模や用途にとらわれず、「用途変更部分の用途と面積」のみでジャッジすれば良いので、覚えておくと良いです。
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問2

建築主は、鉄骨造、延べ面積300㎡、地上2階建ての飲食店を物品販売業を営む店舗とする用途の変更に係る確認済証の交付を受けた場合において、当該工事を完了したときは、建築主事の検査を申請しなければならない。

[su_accordion][su_spoiler title=”解答と解説” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]【誤】用途変更の”完了届”
法87条1項より、用途変更に係る確認申請には、法6条(建築主事による確認)法6条の2(指定確認検査機関による確認)が準用されので、つまり建築主事又は確認検査機関のどちらからも確認済証の交付を受けられます。

一方、工事完了時の手続きとしては法7条1項(建築主事による完了検査)のみ準用されており、法7条の2(指定確認検査機関による完了検査)は準用されていません。しかも、条文にある通り、「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えて適用されるため、工事完了時には検査なし。建築主事に届出をするだけでOKです。

こういった設問は前段の用途や規模で惑わせにきますが、用途変更に係る工事完了時の手続きといえば、検査(×)⇒届出(○)のパターンばかりなので、即判断しやすいですね。
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関連法令Tips

類似の用途相互間かどうか判断する際に、建築物の用途を判断する必要がありますよね。よく試験に出るのが法別表1(い)欄の(2)項にあたる用途で、その他これらに類するものとして政令で定めている「児童福祉施設等」。

「児童福祉施設等」は令19条1項に定義されていますが、有料老人ホーム、障害者支援施設、地域活動支援センターなどはその名称からはイメージ的に直結しにくいため、注意が必要です。

施行令19条(1項のみ抜粋)
 法第28条第1項(法第87条第3項において準用する場合を含む。以下この条及び次条において同じ。)の政令で定める建築物は、児童福祉施設、助産所、身体障害者更生援護施設(補装具製作施設及び視聴覚障害者情報提供施設を除く。)、精神障害者社会復帰施設、保護施設(医療保護施設を除く。)、婦人保施設、知的障害者援護施設、老人福祉施設、有料老人ホーム又は母子保健施設(以下「児童福祉施設等」という。)とする。

なお、実務でよく見る「放課後等デイサービス・児童発達支援」や「共同生活援助(グループホーム)」も法文に直接名称は登場しませんが「児童福祉施設等」として取扱う特定行政庁が多いと思います。
(法文に明記されていないものは試験に出ないので安心してください。)

なお、ここからは完全に実務の話ですが、用途変更の工事完了時は「完了届」を提出するだけなので、誰も検査しないのをいいことに脱法(違法)行為に走る設計者や施工業者が少なからず見受けられますが、任意の検査(チェック)が100%ないとも言えませんし、福祉施設ですとだいたいはユニバーサル条例なんかの届出も必要でしょうから、色々とバレる可能性は払拭できないことを肝に銘じておきましょう…。

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