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一級建築士のDIY スイッチまわりの気密性を向上する2つの方法

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お疲れ様です。中古の一戸建て住宅を改修しながら暮らしている、一級建築士のくるみです。(twitterはこちら

お手軽DIYで住環境を快適にしていく方法を提案させていただきます。

費用対効果を重視しつつ、失敗のない施工を心がけていきますよ。

さて今回は、ちょっとしたひと工夫で室内の気密性をアップさせる方法をご紹介します。

最近の住宅は高断熱・高気密が当たり前の時代となってきましたが、だからこそ「コンセントやスイッチまわりからの冷気が気になる!」といった話を聞くようになりました。

また、ウチのような古い住宅では床下・天井裏からの気流止めがされていませんので、特に1階の床付近のコンセントやスイッチからは「えっ!?」と驚くくらいの冷気が流入しています。

ということで、予算ウン百円でこの問題を解決しちゃいましょう。

まずは、コンセントの納まりのおさらい

コンセントの構成を超簡略して描くと下図のようになります。

壁に取り付いているコンセントとコンセントカバーは、壁(石膏ボード)の向こう側にあるコンセントボックス(スライドボックス)に向かって2本のネジで簡単に固定することで、石膏ボードを挟み込むような形になっています。

当然のことながら、コンセントボックスもコンセントカバーも気密を意識した製品にはなっていませんので、何もしなければ壁内の冷気が室内に流入することになります。

高気密の住宅だと、ドアを開ける際などに気圧が一気に下がるので、コンセントの開口部から室内に空気を吸い込みがちですね。

改修の実践

既設コンセントの防気改修方法は2つあります。

方法その1 防気タイプのコンセントカバーに交換する

代表的なものは「パナソニック 防気モダンプレート WN8203W」等です。

スイッチやコンセントの周りに防気の為のゴムが付いており、隙間を塞ぐことで壁内からの空気の流入を防ぎます。また、裏面までゴムが付いているので、壁にゴムが押し当てられることで、壁とカバーの隙間も塞げます。

この方法だと本当にカバーの取り換えだけなので、かなりお手軽に、かつ低予算に施工できますね。

以下施工事例です。スイッチ間の空洞部に指を近づけてみるとよく分かりますが、この部分からけっこう壁内の空気が室へ流入しています。

(クロスの剥がれはスルーで。。)

方法その2 防気カバーを取り付ける

代表的なものは「パナソニック 埋込防気カバー WV24919」等です。

私が下手な説明をするより、まずは下図をご覧ください。

ボックスと器具の間に防気カバーを取り付けることで、壁内からの空気の流入を防ぎます。

ただし!取り付けるためには器具から配線を一度取り外す必要があり、電気工事士法第3条及び施行規則第2条第1項により、電気工事士等の資格者でなければ従事できない電気工事となりますのでDIYで行う場合は資格を取得してからにしましょう。(いちおう、建築法規にも触れておきます。)

自宅だし自己責任だから…と無資格者による工事はダメです。最悪の場合、火災の原因にもなるため、電気工事は絶対に甘く見ないないようにしましょう。

まとめ

コンセント・スイッチまわりの気密性アップの方法を2つご紹介しました。

  • 防気タイプのコンセントカバーに交換する
  • 防気カバーを取り付ける

お手軽なのは、コンセントカバーを防気タイプのものにする方ですが、効果としてはどちらも遜色なく実感できています。安価なので費用対効果としては抜群です。

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